理事長挨拶

一般社団法人 藤岡青年会議所
理事長 塚本 浩史
はじめに
 この世に生を受け、私をこれまで動かしてきた原動力の大半は好奇心です。青年会議所への誘いを受け、迷うことなく入会した9年前の自分は、新しい活躍の場を与えられ好奇心に胸を高まらせていたことを今でも覚えています。そして、藤岡青年会議所が51年目の運動を展開するリーダーとして、地域やメンバーの負託に応える決意を述べさせていただきます。
不易流行 -魅力ある組織づくり-
 青年会議所は「会議所」という名の通り、合議による意思決定を経て、組織として行動します。メンバーにはそれぞれの役割があり、各自の職責を全うすることで組織が機能をします。これは現実の社会構造にも当てはめることができ、役職や事業を通じて実社会にも役立つノウハウを学べることが、青年会議所の魅力とも言えます。
 しかし、「不易流行」という用語に評されるように、よき伝統を継承しながら進歩を目指すことが、組織には求められます。なぜならば、組織に集うメンバーもこれまでの運動を受け継いできた伝道者であり、変化の激しい社会を生きる青年経済人であるからです。
私たちの住み暮らす多野藤岡地域では、これまで「命の大切さを伝える事業」として継続して取り組んできた、日航ジャンボ機墜落事故や関越道ツアーバス事故に関する事業があり、「明るい豊かな社会」を目指す私たちが、世代をこえて受け継ぎ後世へと伝えなければならない「教訓」とも言える想いがあり、それはまさに「不易」です。他方、その手法については常に新しい手法の検証や実施を怠らず、対象者にはこの運動の趣旨に賛同いただける市民や他団体等を巻き込むことを目指します。
さらに、情報社会において、私たちの活動を社会へ遍く知らしめ、私たちの運動にご理解をいただくためには、より多くの情報を発信する必要があります。そのためには、高頻度で新鮮味のある情報を発信する必要があり、広報は既存のSNSを用いてスピード感を重視した発信を心がけ、凡事継続に努めます。
未来への種まき -魅力ある仲間づくり-
 青年会議所はまちづくりの団体であり、「明るい豊かな社会」の実現を目指していることは既知のことです。昨今では多くのNPOや青年団体がある中で、青年会議所の唯一無二な特徴は、自らがまちづくりに主体的に取り組むだけでなく、まちづくりの担い手となる人材を育むことで、積極的な変化の創造による社会の変革を目指していることにあります。
しかし、昨今の藤岡青年会議所は、例会や対外事業への参加率が6割前後に留まっており、事業を通じて育まれてきた自分たちの仲間意識や他団体等との人間関係の構築や継承に支障が生じる危惧があります。メンバーはそれぞれの理由や事情を抱えており、それらの間隙をついて活動に参加をしていることは理解をしており、その努力には敬意を表します。また、様々な事情により在籍をして活動を希望したくても、それがかなわないメンバーもいることは事実ですが、活動への参加が低調になるに従い、次第に足が遠のくばかりでなく、メンバー間のコミュニケーションもおろそかになってしまう雰囲気があります。いま一度、参加率の思わしくないメンバーが胸襟を開き気兼ねなく参加できるように、会員委員会の担当する事業では楽しい雰囲気づくりに重点をおきます。
私たちメンバーの大半は企業経営者や経営者に準ずる立場の青年経済人であり、それぞれの会社や組織における役職や職責を全うしながら、青年会議所の活動にまい進をしています。最近の藤岡青年会議所は、出席率の低下と同時に青年会議所での経験年数の浅いメンバーが多くなり、経験豊かなメンバーとの格差がこれまでの運動を次世代へと継承する上で障壁となる可能性があります。そのために、JAYCEEとしての資質を向上させ、より魅力的なJAYCEEへと共に成長する機会を設ける必要があり、その機会が魅力的な青年経済人として成長する機会にもなるようにします。
会員委員会は青年会議所メンバーが必ず一度は所属したことのある委員会であるために、この委員会に属して活動した経験がJAYCEEとしての基礎となり、またそうならなくてはなりません。一見すると地味な活動であっても、共に取組み同じ時間を過ごすことで魅力ある仲間づくりができ、その仲間がこれからの人生においてかけがえのない財産になるからこそ、魅力ある会員委員会を目指します。
出向という機会 -責任あるLOMとして-
 青年会議所には出向というLOMの枠組みを超えた活動と仲間づくりの機会があります。本年度の藤岡青年会議所は、日本青年会議所関東地区群馬ブロック協議会2017年度会長として関口剛史君を輩出し、群馬ブロック協議会の根幹を担う役職者として多くのメンバーが出向します。また、9月28日から10月1日の期間で、隣接する埼玉ブロック協議会の埼玉中央青年会議所が主管する日本青年会議所の第66回全国大会が開催されることから、藤岡青年会議所が大会の運営に携わる機会があります。これらの機会を活かし、藤岡青年会議所が率先して群馬ブロックが主催する事業へ参加をし、全国大会は多くのメンバーで参加をするために、それぞれを例会事業としてメンバーの積極的な参加を促します。私自身も複数回に渡り出向する機会に恵まれて、新たな刺激を受け成長することができました。また、出向によって得られる経験は、出向者のみならず輩出LOMにとっても貴重な実績となります。
しかし、これまでは出向先での経験や体験をLOMへと水平展開することがあまりなく、出向者とLOMメンバーとの意識の差が生じてしまうことも事実でした。この差を少しでも近づけるために、機を捉えて出向メンバーが他のLOMメンバーへと活動を報告できるように、例会において出向者からの報告をする機会を設けます。そして、LOMメンバーが出向メンバーの活躍の一端を知り、出向先での様々な事業や経験を見聞きすることで、同じLOMのメンバーとしての一体感を保持するだけでなく、今年度以降において新たなフィールドに挑戦しようするメンバーの好奇心や興味を刺激すると期待します。
これまでよりも県内12LOMから藤岡青年会議所に対する注目度合いが高まる中、メンバー各自が誇りをもってLOMの活動と同等に群馬ブロック協議会の活動や各種出向先での活動に率先して取り組み、12LOMを率いるLOMとして行動できるようにします。
一緒に行うということ -市民主体の運動を育む-
 過去に藤岡青年会議所では、市民と行政が一緒に行う「協働のまちづくり」事業を推進し、地域サロン「e戸端会議」、市民討議会に取り組んできました。この「一緒に行う」ための合意形成の手法にはファシリテーション型会議の手法が用いられ、これは市民の主体性を高め、満足度の高い意見集約を行うことができる手法でした。そして、これらの活動により、主体的な市民によって協働のまちづくりに関する様々な運動が芽吹きました。
 しかし、2013年を最後に藤岡青年会議所が協働のまちづくりに関する事業を実施しておらず、当時のノウハウを持つメンバーも多くが卒業してしまいましたが、このファシリテーション型会議において提唱されていた、「気軽に」「楽しく」「中身濃く」の要素や参加者の満足度が高まる話し合いの技術は、参加者の主体性を高めることにおいて非常に効果があるため、青年会議所のメンバーが技術を継承し習熟に努める必要があります。
私たちは、協働のまちづくりが市民や他団体と青年会議所の相互に利益となることを唱え、市民の主体性を高める合意形成の手法として効果的ファシリテーション型会議の優位性を再認識し、その手法を実践する場として地域サロンを開催します。この地域サロンの開催によって、潜在的な地域の魅力を市民が主体的に見出す仕組みを構築する技術を取得します。
真の国際人として -魅力ある国際人として-
「良き国際人とは良き愛国者であり、良き愛国者とは良き国際人である」(新渡戸稲造)

ここから導き出される定義として、真の国際人とは、「自国に誇りと愛着を持ち、自らの言葉で自国の文化や歴史、課題を語ることができ、互いの違いを尊重することのできる人」です。外国語でのコミュニケーションができることは、ただ「言語」という道具を使うことができるだけのことであり、その道具で何を知り、何を伝えるのか、その内容が重要であります。
 流暢に外国語を操る人間が国際人ではありません。流暢に語ることよりも、自らの軸となる信条や思考を語ることが相互理解に不可欠であります。
 2015年度に、藤岡青年会議所はオーストラリアのメルボルンを中心に活動するJCI-EASTERNと姉妹JC締結をし、国際交流を通じた相互理解の機会を得ることになりました。民間外交による世界平和を目指すJCIの理念に呼応するように、これまでの交流事業を通じて、相互理解や民間外交へと発展する可能性を見出すことができたことは、青年会議所の魅力を再認識するきっかけとなり、私たちが住まう地域でもこの運動が定着しつつあります。
私たちは、国際交流の機会を活かし、交流を通じて得られた経験をより確固たるものとするために、真の国際人としての見識を共有し、メンバーが国際人としての意識を高める必要があります。なぜならば、真の国際人としての見識や意識がなければ、ただ漫然と交流事業を行い、交流できることだけに満足をしてしまうからです。この事業によって自国の誇りを再認識し、これからの日本や地域を担う日本人としての誇りと自信をもった魅力ある国際人として国際交流事業に取り組めるようにします。
青年会議所の魅力を伝える –会員拡大の意識を育む-
 藤岡青年会議所が直面している最大の課題は、会員の減少です。今後5年間で藤岡青年会議所を卒業する予定のメンバーは23名であり、このまま誰も入会しない場合の会員数は8名となります。私が関わった全国各地のLOMにおいて、最少のメンバー数は4名でしたが、そのLOMは現在存続していません。メンバー数が全てではありませんが、運動の波及効果や組織の継続的な運営を考えると、8名という数字は少なすぎます。
会員の拡大に必要なことは、メンバー全員がJAYCEEとしての意識を再認識し、これからの地域を担う青年に青年会議所の魅力を勧める行動に他なりません。まさに「行動量」が会員拡大の成否を左右するといっても過言ではありません。藤岡青年会議所は、拡大を「他人事から自分事」へと意識し、会員拡大の雰囲気を醸成して、メンバー全員が積極的な行動をする必要があります。
そこで、本年は会員拡大にメンバー全員で取り組むために、会員拡大の意識醸成を目的とした特別委員会を設置します。30名でスタートをする2017年度は、33%の拡大を達成するために10名の会員の新規入会を目指します。そして、この目標を達成するために、オブザーバーを呼びやすい環境づくりに努めます。オブザーブしていたただきたい入会候補者に、開催の案内や事業の概要を丁寧に説明し、密接に連絡を取り合い実際の参加につなげ、参加者へのアフターフォーローやその後の追跡をすることで、継続して入会候補者がオブザーブできる環境を醸成します。
これまで先輩方が苦心をされてきた会員拡大を受け継ぎ、青年会議所の存続のために成功させるためには、ただ「入る」ことを力説するよりも、青年会議所の魅力を伝えるアプローチを心がけていきます。そして、会員拡大は行動によって達せられることを心がけ、常にメンバー全員が会員拡大の意識を持ち続けるように、自らが率先してその行動に取り組みます。
おわりに
「上毛三山を一望にし神流川鮎川の中間に位置する群馬県藤岡市は我等のこよなく愛する郷土であります。」

藤岡青年会議所設立趣意書に書かれたこの一文が、私は何よりも好きです。ここにしか吹かない風や、この大地を潤し万物の命の糧となる水、そしてここにしか咲かない花があるように、ここにしかない魅力があります。その魅力をメンバーと多くの市民とが主体的に見出し、これからの誇りある郷土の礎とすることが、この地に生きる私たちの目標であります。

使命とは「命を使うこと」(堀 義人)

際限なき好奇心と自分ならもっとできるという自惚れのような根拠のない自信を抱き、青年会議所に入会してから10年目。この間に、それまでの人生では味わうことのなかった様々な経験を重ね、成功と挫折、喜びと困難を味わってまいりました。
 私に機会を与えて叱咤激励していただいた先輩諸兄や、傍で協力をして頂いた社員、何より陰でずっと支えていた家族への最大限の感謝と、同志であるメンバーと共に理事長としての「使命」を全うすることを誓い申し上げて、所信とさせていただきます。

Copyright © 2015 一般社団法人藤岡青年会議所. All Rights Reserved.