一般社団法人 藤岡青年会議所
理事長 加藤 真
- はじめに
- この多野藤岡地域を明るい豊かな社会とするため藤岡青年会議所は、これまで58年間弛まぬ努力と諸先輩方の熱い想いを受け継ぎ運動を展開してまいりました。
私はこれまで青年会議所活動・運動を行う過程で、多くの仲間から力と知恵を借り、様々な経験をさせていただきました。当会での役職を担うことで自己の成長や、出向という機会をいただいた中から新たな仲間と活動し当会とは違うスケールメリットをもった事業を遂行することで、運動に対する重要性とともに楽しさを学びました。そのような経験は成長と呼べる経験になっていると実感しております。
その経験や想いを活かし、自分の持っている全力を注ぎ、この地域を変えるに至るのか挑戦していきたいという想いが溢れてきました。愛する藤岡市を想い、より明るい豊かな社会への発展に向け、最大限の効果を発揮するための運動を創造し、何を引き継ぎその先の未来へさらなる運動としてつなげていけるのか考え、笑顔に満ち溢れるより良い地域へ変革するための運動を展開してまいります。
- 【課題を解決するためのまちづくり】
- 私たち青年会議所だからこそ向き合える課題がたくさんあります。我が国では、「人口減少」が社会問題の一つとなっておりますが、当会が活動をする多野藤岡地域でも、年々人口が減り、高齢化が進んでおります。この藤岡市から人口や若者が減少することにより、市の経済活動が減少し、小売業やサービス業などの企業が影響を受けます。また、市の税収が減ることにより、公共サービスやインフラ関係の維持、改善ができなくなり、空き家も増え、生徒数も減少し、学校の存続など教育の質も低下してしまうことも予想されます。2014年の藤岡市の人口は68,506人でしたが、2024年には人口は62,010人となり10年間で、約10%の減少となりました。また、2045年には、人口50,000人を下回ると予想され、人口減少問題は深刻化しており、早急な対策が必要となります。
そのような環境下において、私たち青年会議所は何ができるでしょうか。何をしなければならないでしょうか。人口減少の原因は自然減などさまざまな要因がありますが、今年度は人口移動、特に若者の定住促進について焦点を当てたいと考えております。藤岡市が子育てしやすく住みやすいまちでなければ人口移動は進むばかりです。私たちは、地域の魅力や利点をこれまで以上に積極的に発信し、子育て世代、未来を担う若者達が定住したくなるようなイベントやプロジェクトの実施、地域の教育機関や自治体、企業、他団体などの地域の関係者と協力体制をより一層強固なものにし、地域の魅力を引き出すような継続的な事業を行わなくてはなりません。地域の魅力を最大限に引き出し、地域経済の振興や若者の定住促進を図るため、私たちは、この問題に向き合い、積極的に問題解決に取り組むべきだと考えております。その多くの課題を調査、研究をし、解決していくことで持続可能なまちづくりを行うことが私たち青年会議所の使命でもあります。
- 【国際交流】
- 青年会議所は、世界的なネットワークを有しており、国際交流の機会を得ることができます。なかでも、藤岡青年会議所は、JCI Easternとの間で姉妹締結を結び、これまで国際交流を行って参りました。藤岡市においては、人口が右肩下がりを続ける中、外国人労働者数は増加し、ビジネスの視点からみても国際の重要性は高くなっています。また、育ってきた環境の違いが自身の価値観に大きな影響を与えるのであるならば、地域に在住している外国人との交流はまちにもひとにも新たな価値観を提供することができます。価値を受け入れることは、視野を拡げることに直結し、何事にも果敢に挑戦することにつながっていくと考えます。国際的な組織であるからこそできる国際交流の形を私たちの住み暮らすまちにおいて表現していくことは、次の世代が新たな夢を描くきっかけとなります。当会としてのこれまでの国際交流の実績を踏まえながらも新たな形を実践し、次世代に繋いでまいります。
- 【未来へ繋げる会員拡大】
- 当会にとって会員拡大は、喫緊の最重要課題です。まちづくりの担い手の減少という意味でも非常に危機的な状況であり、事業の規模を縮小せざるを得ない状況となってしまいます。私たちが明るい豊かな社会の実現を目指し、まちづくりを行い、地域により良い変化をもたらすためには、まず会員拡大を進めていかなくてはなりません。
若者交流会やSNSでの広報などを継続的に行うことが、本年度のみならず数年後の会員拡大にも繋がっていくと考えます。会員拡大においては、青年会議所を知ってもらい、入会するメリットを伝えること、熱意をもって私たちの志を伝えることが重要だと考えます。
同志となりうる青年との出会いの機会を創出し、諸先輩方との連携、協力を仰ぎ、拡大候補者に対して会員一人ひとりが拡大意識をもってアプローチすることが重要です。長きに亘り継がれてきた、まちづくりのバトンを次代の未来へ繋ぐためにも会員拡大を全員の力で推し進めてまいります。
- 【人材育成と交流】
- 青年会議所は「人生最後の学び舎」と言われますが、互いに切磋琢磨してリーダーとしての資質を高めることを目的とする団体でもあります。まずは、青年会議所を知り、しっかりとしたリーダーシップを発揮できる人材を一人でも多く育成していく必要があります。そのためには、入会間もないメンバーには特に多くの気づきや学びを得てもらうことが重要です。自分の住み暮らすまちでの青年会議所活動、さらに、群馬ブロック協議会の事業や各種大会に積極的に参加することが必要不可欠で、それらに参加しやすい環境を整えていくと同時に、自ら出向し、一歩を踏み出し、何事にも挑戦ができる会員の育成を行ってまいります。
また、地域を担う青年経済人の成長なくしては、地域の成長はありません。青年経済人が成長し、この地域をより良くしていくことこそが、各々の仕事、プライベートを充実させることにつながり、青年経済人として、培わなければならない研修の場を構築していきます。さらに、事業一つひとつをどのように想い、考えて構築していくのか、一年間ともに活動する仲間と熱く語りながら意見を交わすことで団結を深めます。考えを共有し団結力を持って行動していくことが事業効果を高めることに繋がると考えます。事業がどのようにこのまちに影響していくのかを経験することで、自身が成長し、このまちに必要とされる人材に成るべく活動してまいります。
- 【広報】
- 現代ではSNSに代表されるように誰でも自由に情報発信が出来るようになっています。
発信方法にはAIが活用されるなど目を見張るデジタル化の進歩があり、毎年のように新しい情報発信ツールが生まれています。このような変わりゆく時代の流れのなかで、広報を行う上での重要な要素の一つに共感があげられます。
その共感を生むためには活動が相手に適切に伝わることが必要となってきます。青年会議所活動をSNSなどで定期的に発信していくことはもちろんのこと、状況に応じてより良い広報を模索しながら市民の方々から当会の活動に共感を得て頂けるよう、努力していきます。その結果、当会の活動が地域全体を巻き込んだ運動へと昇華させることにつながっていきます。
デジタルメディアの調査研究および、当会の発信する情報の性質と情報発信ツールの組み合わせを戦略的に発信し、その効果を検証して参ります。
- 【むすびに】
- 私は、自身を成長させていただいている青年会議所を愛しています。青年会議所を愛している反面、会社を留守にすることもあり申し訳ないと思う時もあります。いつの日かしっかりとした形で会社にお返しできるよう今この時を精一杯頑張り、何事にも挑戦したいと思っています。
多くの出会いと学びの時間の中から、自らを律し成長し、そして私たちの成長こそが、家庭、会社、地域の幸せに繋がると信じています。だからこそ、この活動と運動に誇りと覚悟をもって取り組み第59代理事長として精一杯に藤岡青年会議所ここにありと高々と旗を掲げた活動を展開させ、次の世代へとバトンを繋げます。
最後に、私と活動を共にしていただけるメンバーの皆様に感謝の意を表します。この選択をした自分と仲間たちを信じ、2025年度精一杯活動してまいりますので1年間どうぞよろしくお願い申し上げます。